モンステラの種類・品種を整理|代表種・斑入り・ヒメモンステラの違いと見分け方

モンステラを探していると、「デリシオーサ」「アダンソニー」「ボルシギアナ」「タイコンステレーション」「ヒメモンステラ」など、多くの名前が出てきます。

ところが、これらはすべて同じ意味での「種類」ではありません。植物学上の別種もあれば、同じ種の園芸品種や斑入りタイプ、現在は別種として扱われない名前、そもそもモンステラ属ではない植物まで混在しています。

モンステラの種類・品種を見分けるときは、「学名上の種」「園芸品種・斑入り」「流通名」を分けて考えるのが最も分かりやすい方法です。

2026年8月13日時点で、英国王立植物園キューのPlants of the World Online(POWO)は、モンステラ属に73の受容された種を掲載しています。一方、日本の観葉植物売り場で見かける名前はその一部に限られ、さらに園芸上の呼び名が加わります。

この記事では、単純にモンステラを「○種類」と並べるのではなく、代表的な種、斑入り品種、間違えやすい名前を整理しながら、葉姿から選ぶポイントまで解説します。

  1. まず整理|モンステラの「種類」と「品種」は同じではない
  2. 代表的なモンステラの種類を特徴から比較
    1. モンステラ・デリシオーサ|定番の大きな葉を持つ種類
    2. モンステラ・アダンソニー|葉の内側に穴が目立つ種類
    3. モンステラ・ドゥビア|幼株と成株の変化が大きい
    4. モンステラ・シルテペカナ|成熟すると穴のある葉へ変化
    5. モンステラ・サブピンナータ|深く分かれた葉が特徴
    6. モンステラ・オブリクア|「穴だらけの葉」だけでは判断できない
  3. 斑入りモンステラは「別の種」とは限らない
    1. タイコンステレーション
    2. バリエガータ
    3. ホワイトタイガー・イエローマリリンなどは名前だけで分類しない
  4. ボルシギアナはデリシオーサとは別の種類?
  5. ヒメモンステラはモンステラの小型品種?
    1. 「ミニマ」という名前にはさらに注意
  6. 欲しいモンステラを葉姿から選ぶならこの順番
  7. 自分のモンステラの種類が分からないときの確認順
  8. モンステラを種類で選ぶときは名前より「成長後の姿」も確認する
  9. モンステラの種類・品種についてよくある疑問
    1. モンステラは全部で何種類ありますか?
    2. モンステラで一番一般的な種類は?
    3. ボルシギアナとデリシオーサは別種ですか?
    4. ヒメモンステラはモンステラの一種ですか?
    5. 斑入りモンステラは別の種類ですか?
  10. まとめ|モンステラは「種・品種・流通名」を分けると選びやすい

まず整理|モンステラの「種類」と「品種」は同じではない

モンステラの名前が分かりにくい最大の理由は、植物学上の分類と園芸流通上の呼び方が一緒に使われていることです。

区分 考え方
植物学上の種 Monstera deliciosa、Monstera adansoniiなど モンステラ属の中にある別々の種
園芸品種 Monstera deliciosa ‘Thai Constellation’など 特定の特徴を持つ栽培品種
斑入り・園芸上のタイプ名 Variegata、アルボなど 葉色や斑の特徴を示す名称として流通
旧名・シノニム ボルシギアナ 現在の分類では別種として認められていない場合がある
流通上モンステラと呼ばれる別属植物 ヒメモンステラとして売られるRhaphidophora tetrasperma 同じサトイモ科でもモンステラ属ではない

そのため、「モンステラは何種類ある?」という質問に、園芸店の商品名を数えて答えることはできません。

植物学上の種数と、市場に存在する園芸品種・斑入りタイプ・商品名の数は別物です。

代表的なモンステラの種類を特徴から比較

モンステラ属には多数の種がありますが、家庭で種類を選ぶ目的なら、まず葉の大きさだけでなく、切れ込み、葉の内部の穴、幼葉と成葉の変化、登り方を見ると違いを整理しやすくなります。

名前 分類 見分けるときの特徴 こんな姿を探す人向け
モンステラ・デリシオーサ 独立した種 成熟すると大きな葉に深い切れ込みや穴が現れる 定番の大きなモンステラ
モンステラ・アダンソニー 独立した種 葉の内部に穴が現れる姿が特徴的 穴のある葉を楽しみたい
モンステラ・ドゥビア 独立した種 幼株は支持物に沿うように葉を密着させて登り、銀色の模様が見られることがある 一般的なモンステラとは違う姿を楽しみたい
モンステラ・シルテペカナ 独立した種 幼葉と成熟した葉で姿が変化し、成熟葉では複数列の穴が現れる 葉の変化も楽しみたい
モンステラ・サブピンナータ 独立した種 成熟葉が深く羽状に裂け、一般的なデリシオーサとは異なる輪郭になる 細かく分かれた葉姿が好み
モンステラ・オブリクア 独立した種 葉形や穴の有無に大きな変異がある 分類まで含めてコレクションしたい

「葉に穴が多いからこの種類」と一つの特徴だけで決めるのは避けましょう。モンステラは成長段階によって葉姿が変化する種があり、同じ種の中でも葉形に変異があります。

モンステラ・デリシオーサ|定番の大きな葉を持つ種類

モンステラ・デリシオーサ(Monstera deliciosa)は、サトイモ科モンステラ属の独立した種です。POWOではメキシコ南部からグアテマラにかけてを自生域とするつる性植物として扱われています。

観葉植物としてイメージされる「大きなハート形の葉に切れ込みと穴があるモンステラ」を探している場合、最初に確認したい種類です。

ただし、若い葉は成熟葉ほど複雑に裂けていないため、小さな苗の葉だけを見て成株の葉姿を判断しないことも大切です。

モンステラ・アダンソニー|葉の内側に穴が目立つ種類

モンステラ・アダンソニー(Monstera adansonii)も、POWOで受容されている独立した種です。熱帯アメリカに広く分布するつる性植物とされています。

デリシオーサの成熟葉では葉縁まで達する深い切れ込みが目立つのに対し、アダンソニーは葉身の内側に窓のような穴が現れる姿で知られています。

ただし、日本の園芸流通では「アダンソニー」「マドカズラ」などの名前を巡って表記が一定しない商品も見られます。名前だけで判断したい場合は、販売名だけでなく学名表示まで確認すると混同を減らせます。

モンステラ・ドゥビア|幼株と成株の変化が大きい

モンステラ・ドゥビア(Monstera dubia)は、一般的なデリシオーサとはかなり違った姿を楽しめる種類です。

POWOに収録された植物学的記載では、幼株は葉を支持物に密着させて登る「シングリング」と呼ばれる姿を示し、葉に銀色の斑点が見られることがあります。

さらに成長すると葉の形が変わり、大きな株では切れ込みや穴のある葉になる場合があります。

購入時の幼葉だけを見ると、一般的なモンステラとは別系統の植物に見えるほど姿が変わるのがドゥビアを見分ける重要なポイントです。

モンステラ・シルテペカナ|成熟すると穴のある葉へ変化

モンステラ・シルテペカナ(Monstera siltepecana)は、メキシコからニカラグアに分布するモンステラ属の種です。

POWOに掲載された記載では、幼葉は卵形から広卵形で葉縁が切れ込んでおらず、成熟葉では葉の内部に複数列の穴が形成されます。

そのため、シルテペカナも幼株の姿と成熟後の姿を分けて見る必要があるモンステラです。

モンステラ・サブピンナータ|深く分かれた葉が特徴

モンステラ・サブピンナータ(Monstera subpinnata)は、コロンビア南東部からボリビアに分布するモンステラ属の種です。

成熟葉は中肋に向かって非常に深く裂け、左右に細長い裂片が並びます。

「大きな丸い葉に穴」という一般的なモンステラの印象とは異なり、羽状に細かく分かれたシルエットを探している場合に区別しやすい種類です。

モンステラ・オブリクア|「穴だらけの葉」だけでは判断できない

モンステラ・オブリクア(Monstera obliqua)も正式に認められているモンステラ属の種ですが、名前だけが独り歩きしやすいため注意したい種類です。

オブリクアというと、葉の大部分が穴になった極端な姿を想像されることがあります。しかし、POWOに収録されている植物学的記載では、葉の形だけでなく、穴があるかどうかにも大きな変異があることが示されています。

したがって、「穴が非常に多い=オブリクア」「穴が少ない=オブリクアではない」という判定はできません。

高価な株やコレクション目的の株を購入するときほど、写真だけでなく学名、販売元、株の由来なども確認したほうが判断しやすくなります。

斑入りモンステラは「別の種」とは限らない

白やクリーム色の斑が入ったモンステラは別種のように紹介されることがありますが、代表的なものにはモンステラ・デリシオーサの園芸品種や斑入りタイプがあります。

名前 位置づけ 主な見た目
Monstera deliciosa ‘Thai Constellation’ デリシオーサの園芸品種 濃緑の葉にクリーム白色の斑や細かな散り斑
Monstera deliciosa ‘Variegata’ デリシオーサの斑入り園芸品種 緑と白のコントラストが目立つ葉
アルボ、ホワイトタイガーなど 流通名として使われることがある名称 白斑を持つ株
オーレア、イエロー系の名称 黄斑系の株に使われる名称 黄色から黄緑色の斑

タイコンステレーション

タイコンステレーション(Monstera deliciosa ‘Thai Constellation’)は、Royal Horticultural Society(RHS)でもデリシオーサの栽培品種として掲載されています。

濃い緑の葉にクリーム白色の斑や細かな斑点が入り、成熟するとデリシオーサらしい切れ込みや穴のある葉になります。

つまり、「タイコンステレーションという別のモンステラ種」ではなく、デリシオーサの中から斑入り品種を探しているときの候補と考えると整理しやすくなります。

バリエガータ

RHSにはMonstera deliciosa ‘Variegata’も掲載されています。

白と緑が分かれる葉が特徴ですが、斑の入り方は一枚一枚同じではありません。

斑入りモンステラを選ぶ場合は、単に「白い面積が多いほどよい」と考えるより、株全体の状態と現在の葉・茎を確認するほうが実用的です。また、白や淡色部分は緑色部分とは性質が異なるため、一般的な緑葉のデリシオーサとまったく同じ感覚で置き場所を決めないほうがよいでしょう。

ホワイトタイガー・イエローマリリンなどは名前だけで分類しない

モンステラ市場では、ホワイトタイガー、ホワイトモンスター、イエローマリリン、オーレア、ミントなど、さまざまな名前を見かけます。

ただし、流通名や系統名として使われる名称には販売者によって表記が異なるものもあり、すべてが植物分類上の独立種や国際的に統一された園芸品種名とは限りません。

斑入り株を正確に選びたい場合は、商品名だけではなく「元の種は何か」「学名表記はあるか」「その名称が園芸品種名なのか流通名なのか」を確認してください。

ボルシギアナはデリシオーサとは別の種類?

「モンステラ・ボルシギアナ」は、モンステラの種類を調べると非常によく出てくる名前です。

しかし現在のKew POWOでは、Monstera borsigianaおよびMonstera deliciosa var. borsigianaは、どちらもMonstera deliciosaのシノニムとして扱われています。

つまり、現在のこの分類体系に従うなら、ボルシギアナをデリシオーサと完全に並列の独立種として数えるのは適切ではありません。

園芸流通では現在も「ボルシギアナ」という名称が使われるため、商品名として目にすること自体は不自然ではありません。ただし、

  • デリシオーサ=大型の別種
  • ボルシギアナ=小型の別種

という二種分類を植物学上の確定事項として理解しないことが重要です。

ヒメモンステラはモンステラの小型品種?

園芸流通で「ヒメモンステラ」として広く扱われるラフィドフォラ・テトラスペルマ(Rhaphidophora tetrasperma)は、モンステラ属ではありません。

同じサトイモ科で、成熟した葉にモンステラのような深い切れ込みが入るため見た目はよく似ています。しかしKewの分類では、

  • モンステラ:Monstera
  • ラフィドフォラ・テトラスペルマ:Rhaphidophora

と属の段階から異なります。

「大きくなりにくいモンステラが欲しい」という目的でヒメモンステラを探すことはできますが、植物の正式な分類を知りたい場合には別属植物として区別しておきましょう。

「ミニマ」という名前にはさらに注意

ここは特に混同しやすいポイントです。

Rhaphidophora tetraspermaが「モンステラ・ミニマ」などの名称で扱われる例がありますが、KewではMonstera minima Madisonという別のモンステラ属植物も正式な種として受容されています。

Monstera minimaはパナマ北部からコロンビア北西部に分布する種で、Rhaphidophora tetraspermaとは別植物です。

したがって、販売タグに「ミニマ」としか書かれていない場合、名前だけから植物学上の種を確定しないほうが安全です。

欲しいモンステラを葉姿から選ぶならこの順番

植物学上の名前をすべて覚えなくても、購入目的なら「どんな葉を楽しみたいか」から候補を絞れます。

探している見た目 まず確認したい候補 確認ポイント
大きな定番のモンステラ デリシオーサ 成長後の置き場所まで考える
葉の中に穴が目立つ アダンソニー 学名タグも確認する
白・クリーム色の斑入り タイコンステレーション、Variegataなど 種名と園芸品種名を分けて確認
木に張り付くような幼株 ドゥビア 幼株と成株で葉姿が変化する
成長による葉の変化を楽しみたい シルテペカナ、ドゥビアなど 現在の葉だけで成株を判断しない
細かく深く分かれた葉 サブピンナータ デリシオーサとは葉の輪郭が大きく異なる
小型でモンステラ風の葉 ヒメモンステラとして流通するRhaphidophora tetrasperma モンステラ属ではないことを理解して選ぶ

自分のモンステラの種類が分からないときの確認順

手元のモンステラを特定したい場合は、葉の写真一枚だけで判断せず、次の順番で確認すると候補を絞りやすくなります。

  1. 購入時のタグを見る
    商品名だけでなく、Monstera deliciosaなどの学名が記載されていないか確認します。
  2. 葉の穴と切れ込みを分けて見る
    葉縁まで裂けているのか、葉の内側だけに穴があるのかを確認します。
  3. 葉の大きさだけで決めない
    幼株では特徴的な切れ込みや穴がまだ出ていない場合があります。
  4. 茎と節の間隔を見る
    葉だけでなく、茎の伸び方や節間、気根の出方も確認材料になります。
  5. 幼葉と新しい葉を比較する
    ドゥビアやシルテペカナのように、成長段階によって葉姿が大きく変わる種があります。
  6. 斑入りなら元の種を確認する
    「白斑」「ミント」「オーレア」といった斑の名称だけで種を判断しないようにします。

特に小さな苗は成株の特徴が十分に出ていないため、葉の形だけでなく、タグ・茎・節・複数枚の葉を合わせて確認することが大切です。

モンステラを種類で選ぶときは名前より「成長後の姿」も確認する

同じモンステラ属でも、成長すると大きな葉を展開するデリシオーサと、支持物に沿って特徴的な幼葉を展開するドゥビアでは、楽しみ方がかなり異なります。

購入時には次の点も確認しておくと選びやすくなります。

  • 現在の苗ではなく成熟するとどんな葉になるか
  • 上へ登らせて育てるのか、広がる姿を楽しむのか
  • 将来確保できるスペースは十分か
  • 緑葉と斑入りのどちらを育てたいか
  • 一般的な観葉植物として楽しむのか、種や系統を指定して集めたいのか

特に斑入り株やコレクション性の高い株では、見た目が似ているだけで異なる名称が付いている場合もあります。品種名そのものを重視して購入するなら、信頼できる販売者から学名や由来を確認して選ぶ方法が適しています。

モンステラの種類・品種についてよくある疑問

モンステラは全部で何種類ありますか?

2026年8月13日時点でKewのPlants of the World Onlineは、モンステラ属に73の受容された種を掲載しています。ただし分類は研究によって更新されることがあるため、将来も常に73種とは限りません。

また、タイコンステレーションなどの園芸品種や各種斑入り、流通名まで含めた数ではありません。

モンステラで一番一般的な種類は?

一般的な「大きな葉に切れ込みと穴があるモンステラ」を探している場合、代表的なのはMonstera deliciosaです。

ただし、小型苗では成熟葉の特徴がまだ現れていないことがあるため、購入時はタグも確認してください。

ボルシギアナとデリシオーサは別種ですか?

現在のKew POWOでは、Monstera borsigianaMonstera deliciosa var. borsigianaはいずれもMonstera deliciosaのシノニムとして扱われています。

園芸流通ではボルシギアナという名称が残っていますが、現在のこの分類体系では独立した受容種ではありません。

ヒメモンステラはモンステラの一種ですか?

「ヒメモンステラ」として一般に流通するRhaphidophora tetraspermaは、サトイモ科ラフィドフォラ属の植物で、モンステラ属ではありません。

モンステラに似た切れ込みのある葉を楽しめますが、植物学上は区別して考えます。

斑入りモンステラは別の種類ですか?

必ずしも別種ではありません。タイコンステレーションやVariegataのように、Monstera deliciosaの園芸品種として扱われる斑入りモンステラがあります。

斑の色だけでは元の種を判断できないため、品種名と学名をセットで確認すると分かりやすくなります。

まとめ|モンステラは「種・品種・流通名」を分けると選びやすい

モンステラの種類・品種を調べるときに最も重要なのは、名前を単純な一覧として覚えることではありません。

デリシオーサやアダンソニーなどの「種」と、タイコンステレーションなどの「園芸品種」、ボルシギアナなど現在はシノニム扱いの名称、ヒメモンステラのような別属植物を分けて考えると、モンステラの名前を整理しやすくなります。

自分好みの株を探すなら、まず「大きな切れ込み」「葉の内側の穴」「斑入り」「成長に伴う葉の変化」「深く分かれた葉」など、欲しい葉姿から候補を絞りましょう。

手元の株の種類を知りたい場合は、葉一枚だけで断定せず、購入タグの学名、複数の葉、茎、節、成長段階を合わせて確認することが重要です。

観葉植物の育ち方や適した管理方法は、種・品種・季節・地域・室温・日当たり・鉢や用土などによって変わります。種類を確認した後は、その植物に対応した育て方を調べ、実際の株の状態を見ながら管理を調整してください。

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